オフグリッドとは? 費用や導入事例やメリット・デメリットをわかりやすく解説
2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする——。
2025年までに100箇所以上の脱炭素選考地域を創出する——。
このような目標を地方自治体や国で掲げられている現代。そして、具体的な解決方法として注目を浴びているオフグリッド。すでに一般家庭や企業などで導入され始め、身近ではあるものの「名前は知っているが詳しくは知らない」「どのように導入すればいいの?」のような漠然とした疑問があるかと思います。
オフグリッドについて理解することは、自然災害へのリスク対策としても重要です。脱炭素行動をしないと平均気温が上がったり、海面が上昇したりして、現在の地球環境が保たれないのは誰もが知っているかと思います。しかし、どのようなことをしたら解決に繋がるのか分からない人も多いでしょう。ぜひこの記事を機に、環境問題の解決について今一度考えてみてください。
地球との共存。オフグリッドとは自然エネルギーを使って電力を自給自足すること
オフグリッドとは、電力会社の送電網から電力を賄わない、もしくは自家発電にて電力を賄っている状態のこと。簡単にいえば、電力会社に頼らず自分たちで電力を用意しているという形です。グリッドとは送電網を含む送電系統、それを”オフ”、つまり断つということです。
オフグリッドの主な発電エネルギーは、太陽光や風力といった自然の力で電気を生み出すものです。これらは場所を選ばないため、どこでも電力を作り出すことができます。環境に配慮しつつ、どこでも電力を賄うことができるオフグリッドですが、完全な自家発電を行うのは現実的にむずかしいこともあります。そのため、基本電力を自家発電で賄い、自家発電力がなくなったら、電力会社の電力を使用するという方法もオフグリッドと呼ばれています。
オフグリッドが重要とされている背景
これまで耳にすることが少なかったオフグリッドですが、重要とされている背景には脱炭素社会への意識が高まっていることが関係しています。国際的な環境問題の1つとして挙げられる地球温暖化は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス発生増加に伴い、世界中で急激なスピードで進んでいます。温室効果ガスが増えると、世界の気温が上がり、砂漠化や海面の上昇などが懸念されるのです。
温室効果ガスの主な発生源
発電
製造
森林伐採
移動や輸送手段
電力供給
食料生産
過剰消費
温室効果ガスの排出実質ゼロを目指すため、政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を表明しました。
この目標を日本が達成するには、発電所や製造所などのエネルギー転換部門の改善が必要不可欠です。例えば、石油や石炭などの化石燃料を使用すると、大量の二酸化炭素が排出されるので、減少させる必要があります。
そこで着目されたのが、二酸化酸素やメタンなどの有害物質を発生させない発電方法のオフグリッドになります。2030年には2013年比で温室効果ガス排出量46%削減を目指す※1という目標を達成するための、オフグリッドへの注目度が高まりました。
※1:環境省「CO2排出実態統計調査について」
オフグリッド導入の4つのメリット
オフグリッドを導入することで環境改善に繋がりますが、ほかにもメリットがあります。下記では、実際にオフグリッドを導入した際のメリットを4つ紹介していきます。
メリット① 電気料金を削減できる
オフグリッドを導入することで、電気料金の削減が可能です。オフグリッド化をどこまでするかによって、電気料金の削減幅は変わってきます。例えば、電力会社と契約しない完全なオフグリッドにすれば電気料金は0円になります。また、自家発電したものをメインで使用し、足りない分は電力会社の電力で賄えば、自家発電した分の電気料金は削減されます。
しかし、完全なオフグリッドは電力不足がネックになるでしょう。そのため蓄電池を用いることにより、電力不足問題や電気料金の削減の解決につながります。電気料金が高い昼間は自家発電の電力で賄い、電気料金が安い夜は電力会社の電力で賄うという方法もできます。こうすることにより、生活の中で節電をするストレスがなく電気料金が下げられます。
メリット② 停電時に電力を確保できる
地震や台風などの自然災害による停電が発生した場合でも、オフグリッドを導入していれば電気を使い続けられます。十分な電力があることで、停電前と変わらない行動を取ることができるので、安心して過ごすことが可能です。
また、蓄電池に電気を貯めておけるので、夜間の電力確保のほかに、大量に電力消費をする夏や冬に起こる計画停電の電力としても使用できます。企業の場合、電力不足が発生するとデータが消失したり、円滑に業務を遂行が難しくなったりするケースもあるので、備えがあるのは心強いといえるでしょう。
実際、台風時や地震時に蓄電池があったことで停電にならなかった企業は、電力不足にならず損害が非常に少なかったようです。例えば、沢根スプリング株式会社では太陽光発電を導入したことにより、平成30年9月の台風24号の際に損害を最小限に抑えています。
(参照:静岡県中部地域局「災害対応・BCP事例集」)
メリット③ 地球環境に優しい
前述の通り、オフグリッドの主電源は太陽光や風力といった自然エネルギーです。日本のエネルギー資源の多くは、輸入された石油や石炭などの化石燃料です。化石燃料とは、動物や植物の死骸が長い年月をかけて圧縮し、変形した有機物のことです。
しかし、化石燃料には限りがある上に、消費する際に多くの二酸化炭素を排出するので環境に影響を及ぼします。その点オフグリッドは、二酸化炭素を排出することなく発電可能なので、地球環境に優しいです。
メリット④ 電力会社の送電網外でも電気が使える
電力会社と契約する場合、送電網があるところでしか電力を使用できません。一方オフグリッドは、自然エネルギーを利用するため送電網外での場所でも電気を発電し、使用することができます。
例えば、山小屋や船などは送電網外の場所によくあるため、自家発電装置を設置しているケースが多いです。また、キャンピングカーや移動販売車のように、車内で多くの電力が必要になる場合も、オフグリッドによるメリットが生かされやすいです。
オフグリッド導入の3つのデメリット
環境問題や災害時、電気料金削減といった面でメリットの大きいオフグリッドですが、デメリットもあります。しかし、デメリットを知ることでメリットをより実感しやすくなります。
デメリット① メンテナンス費用が定期的にかかる
電気代が削減されるオフグリッドですが、発電機や蓄電に必要な機器を維持するために定期的なメンテナンス費用が必要です。メンテナンスにかかる費用は10万円だったり、30万円だったりと修復場所によりピンキリですが、補助金を使えるケースがあります。もし、定期的なメンテナンスを怠ると急に使えなくなったり、効率良く発電されなかったり、といったトラブルが発生することも……。
デメリット② 導入費用がかかる
オフグリッドを始めるにあたり、主電源となるエネルギーは0円で利用できるものの、そのエネルギーを発電・蓄電するための機器が必要になります。最初は費用がかかるものの、長期的にみればランニングコストは回収できます。
オフグリッド実現には初期投資が必要ですが、「Rebglo.」の蓄電池であれば、初期費用が不要です。加えて、設置した際にどのくらいの効果があるか、実際に設置は可能なのかなど、導入に対するコンサルサービスも提供しているため、非常に導入ハードルが低いことが特長です。
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デメリット③ 天候に左右される
太陽光や風力など自然エネルギーで電力を賄うオフグリッドは、天候に左右されやすいです。太陽光の場合、天気や時間帯、季節などにより、発電量が増減してしまうため、電力供給が不安定になります。
発電量によっては生活に十分な電力供給が難しく、節電を余儀なくされることもあるでしょう。しかし、蓄電池を活用すれば一定量貯めておくことが可能なので、すぐに電力が使えなくなることはありません。容量の大きい蓄電池を使用すれば、数日間の使用も可能です。
蓄電池は容量以外にも、機能性で大きく変わってきます。そこでオススメなのが「リブグロ発電池システム」。発電機と蓄電池の良い部分を組み合わせたもので、長期間の電力を供給したり、電気を長期間保存したりすることができます。導入やメンテナンスのコスト面でもお得にすることができるため、非常に導入しやすいシステムです。
オフグリッドの導入方法にはどんなものがある?
オフグリッドを導入するためには、太陽光発電システムを使用することが一般的です。太陽光発電システムといっても様々な導入方法がありますが、ここからは主に3つの導入方法についてご紹介していきます。
一部にオフグリッドを取り入れる
ベースは電力会社からの電力で賄いつつ、一部にオフグリッドとして蓄電池などを導入する方法。手軽に導入できる上、持ち運べるものが多いです。身近なものとしては、キャンプ用品など屋外で使用できる製品が挙げられます。例えば、自立型のLEDランタンの頭部分にはソーラーパネルが搭載され、日中に充電し夜間に使用することができます。
電力不足時に電力会社を利用する
太陽光発電システムにて日中は電力を賄いながら蓄電池を充電し、夜間は蓄電池の放電によって電力を供給します。もちろん、太陽光発電だけでは電力がなくなってしまうこともあるので、その場合は電力会社から電力を購入することで、必要最低限の電気料金を支払うだけで済みます。すべてをオフグリッドにするにはハードルが高いため、検討を考えている企業様はこの方法からスタートするのがオススメです。
Rebglo.の蓄電池であれば、マンガン系リチウムイオンバッテリーを使用しているため、電圧が落ちにくく効率的に使用できます。また、一般的な製品と比べて10倍以上の長期運用が可能で、電池容量保証付きなので、長期的に導入しやすいです。
すべてをオフグリッドにする
太陽光発電システムと蓄電池のみで電気を賄う方法です。電力会社と契約しない方法になるため、毎月の電気料金は0円になり環境への配慮もあります。しかし、デメリットでも挙げた通り、気候によって電力が少ないこともあるため、以下のような対策が必要です。
太陽光発電システムを大量導入する
安定した気候の地域に設置する
大容量の電気が長期間備蓄できる蓄電池を用いる
SDGsにも貢献し、災害時の電力供給に適した非常用電源
地球環境に優しく、災害時にも安定した電力を確保できるオフグリッドは世界で注目・導入されている方法です。しかし、導入やメンテナンスにはコストがかかったり、気候に左右されやすかったりとデメリットが多いのも事実。また、オフグリッドを導入するには太陽光などの発電システムと蓄電池を用意しなければならないという問題も……。
環境エネルギーベンチャー Rebglo.では、電気自動車で使用された後、回収されたEVバッテリーという資源をリユースして、BCPバッテリーや発電池システムといった非常用のオフグリッド型電源を展開。コスト削減はもちろん、災害時でも安定した電力供給をしたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
執筆:売野友亮
編集:Number X